こんにちは!
今回は譲渡車両に関する記事を書いていきたいと思います。
JRや私鉄などで活躍していた車両は、引退後そのまま解体されるものも多いですが、一定数が他社鉄道へ譲渡されているのも事実です。そういった譲渡例の中には、JRから私鉄へ、または私鉄から私鉄への譲渡というのは良く聞いたことのある譲渡例だと思います。一方でJRから他のJRへの譲渡例というのは意外に聞いたことがないのではないかと思います。考えてみると、なかなか発生しない事例ですよね。今回はそんなJRとJR間の譲渡事例を記事にしていきたいと思います。わりかし新しい譲渡事例を詳細に、古い事例に関しては列挙するのみといった形の記事にしていきたいと思いますので、ご了承ください。
古いキハを超豪華観光列車へ!JR四国キハ47‐176&1505
まずは2012年5月の譲渡事例です。今回の譲渡事例はJR四国→JR九州への譲渡事例になります。2012年5月、元JR四国所属であったキハ47‐176と1505がJR九州に譲渡されました。JR四国では他にも廃車のキハ47が発生していましたが、JR九州が購入したのはこの2両のみ。果たして何のために購入したのか、非常に注目が集まっていました。この車両たち、何に使われたのかと言えば、2015年にデビューしたJR九州のスイーツ観光列車『或る列車』です。
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或る列車
2012年の譲渡後、数年にわたり小倉総合車両センターに置きっぱなしになっていたため、今後どうなるのか非常に注目されていた車両たちではあったのですね。そんな車両たちが或る列車としてあまりにも豪華に仕様変更の上再でデビューしたものですから、当時は本当に驚いたものです(笑)現在も車内でスイーツが食べられる観光列車として、JR九州で活躍しています。
実はJR四国→JR九州への譲渡例はこれだけではありません。キハ47が譲渡されるよりもずっと前に二形式が譲渡されています。キハ65とキハ185の二形式です。
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キハ185
キハ65系に関しては1989年に5両の譲渡が行われています。また、キハ185系に関しては1992年に20両の譲渡が行われています。キハ185系は2000系デビューによる余剰車の発生に伴う譲渡ですね。現在はキハ185系は現役、キハ65系については全車両廃車済みとなっています。
わずか6年で譲渡!? 寝台特急廃止により不要となったEF510
続いてはJR東日本からJR貨物への譲渡例です。JR東日本からは2015年~2016年にかけてJR貨物への機関車譲渡が行われています。その形式がEF510形500番台です。
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EF510形500番台
500番台は2009年から全部で15両が製造されました。この車両たちはもともとはJR東日本で北斗星やカシオペアの牽引をメインとして活躍していました。もちろん工臨などに就くこともありましたが、基本的には北へ向かう寝台特急の牽引機として北斗星やカシオペアで活躍しており、EF81形を置き換えていきました。そんな中、北斗星は2015年8月に、カシオペアは2016年3月にそれぞれ廃止となります。それに合わせるように、EF510 500番台は2015年度から、JR東日本からJR貨物へ譲渡されたのです。このような短期間の活躍で譲渡された理由は、おそらく、JR東日本で製造された当初から譲渡を見越して、あくまでもEF81置き換えから北斗星廃止までの暫定措置として導入していたにすぎなかったことと思われます。導入当初から、寝台特急の廃止後は譲渡されるのが確定だったのではないかということですね。。カシオペアの定期運用の終了後は、最後まで残っていたカシオペア塗装の509,510号機がJR貨物へ売却。クルーズ列車として残ることになったカシオペアは再びEF81によって運行されることになり、現在までEF81による牽引が続いています。譲渡されたEF510形は現在は日本海側の北陸本線などで、0番台と共に活躍しています。
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貨物譲渡後
JR東日本→JR貨物への譲渡例は実はこれだけではありません。寝台特急の縮小により譲渡された電気機関車はこれ以前にも存在していました。その譲渡機はEF65‐1101と1116です。
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EF65 2101(元1101)
この2機は、JR東日本で東海道本線の寝台特急として2000年代前半まで活躍していました。しかし、徐々に寝台特急が縮小されていったことによって、EF65形に余剰が発生し、2003年にJR貨物へ売却されました。こちらはEF510形のようなあらかじめ予定されていた譲渡ではなく、通常の譲渡と思われます。この後は、2機ともJR貨物の機関車として活躍していくことになりますが、1116は2010年に廃車となっています。現在は1101号機のみが2101号機に改番の上、北は宇都宮や高崎から南は四国まで活躍しています。
詳しくは下の記事をご覧ください。
e231211.hatenablog.com
またそのほかにも、2004年にはEF81形のうち7両がJR貨物へ譲渡されている他、2009年には除雪車両として使われていたDE15形14両がDE10形に改番の上譲渡されています。更にED75が2001年に4機、DD51が2000年に2機、DE10が8機(複数年)、DE11が2012年と2013年に3機譲渡されていたようです。当初書いていませんでしたが、追記します。このようにJR東日本→JR貨物への譲渡例は意外にあるということですね。
また、JR旅客鉄道からJR貨物に移籍した例と言うのはJR東日本だけではなく、多くの旅客鉄道会社で行われています。そちらをまとめます。
DE10 JR東海→JR貨物 3機
EF65 JR西日本→JR貨物 10機(2093、2094、2095、2127の4機が現役)
EF66 JR西日本→JR貨物 4機
DD51 JR西日本→JR貨物 1機
ED76 JR九州→JR貨物 2機(81,83の2機とも現役)
過去にはこれ以外にも譲渡が行われているかもしれませんが、分かる限りだとこんな感じかと思います。
その他の2010年代以降の譲渡例
さて、上にあげたキハ47とEF510以外の2010年代以降の譲渡例を挙げてこの記事を終わります。(新幹線の譲渡例は別記事にまとめます)
2012年 JR北海道→JR東日本 キハ141系4両
これらの車両はSL銀河の客車用としてJR北海道から導入されました。2012年の譲渡後、一旦車籍は抹消され、2014年に再び700番台としてJR東日本籍で登録されています。ちなみにJR北海道→JR東日本への譲渡例はこの4両のみです。
2012年 JR東海→JR西日本 DE15 1541
JR東海の美濃太田に所属していたDE15 1541がJR西日本に譲渡されたのも2012年のことでした。譲渡後は富山に所属していましたが、現在は金沢に所属し、現役です。
さて今回は比較的近年に行われた譲渡例を基にJR四国→JR九州、JR各社→JR貨物へ、JR北海道→JR東日本への譲渡例をまとめてみました。本来はJR間の譲渡は一つの記事にまとめようと思っていたのですが、かなり長くなりそうなので記事を分けます。次回は2000年代に行われた譲渡の動きを中心にまとめてみたいと思います。
【JRからJRへ】実は意外とある!JR間の譲渡車両を紹介②【2000年代中心】 - てつとおのブログ
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2000年代も面白い譲渡があります。続きは上のリンクから!
最後までご覧いただきありがとうございました!