てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

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客車を気動車へ!稀有な成功例となった高性能 キハ143【室蘭本線まもなく撤退】


こんにちは!
今回はJR北海道気動車に注目していきたいと思います。今回注目するのはキハ143という気動車です。


キハ143

キハ143とは、1994年に誕生した気動車で、現在では主に室蘭本線で活躍しています。来年で登場から30年を迎えますが、室蘭本線には新型電車の737系が5月よりデビューすることとなっており、この電車のデビューによって室蘭本線からは姿を消すこととなります。
そんな一見普通の気動車に見えるこの形式ですが、実はこの気動車、完全新造ではなく客車から気動車に改造されたという特殊な車両になっています。そんなキハ143系の簡単な誕生の経緯と、車内に残る客車時代の名残などをご紹介していきたいと思います。

経年の浅い客車を気動車に!

この形式が誕生した背景には、北海道において経年の浅い客車がたくさん余っていたことに由来します。キハ143系の改造前の形式は50系客車といいます。その中でも北海道で活躍していたオハフ51形が気動車改造の種車となりました。オハフ51形は1978年~1982年にかけて製造された客車です。北海道用に製造された50系客車のグループで、北海道の寒い気候に耐えられるよう特殊な仕様の50系となっていました。しかし、誕生から10年ちょっとの1990年前半には既に電車などに置き換えられてしまい、車齢が若いにも関わらず余剰となってしまいました。せっかく北海道使用で製造した客車で、車齢も若い車たち、なんとか活かせないか?と考えられ誕生したのがキハ143系です。こういった改造によって誕生した形式はキハ143だけではなく、キハ141,キハ142,キハ143,キサハ144の4形式が誕生しました。キハ141は・キハ142はキハ54と同様のエンジンを積み、台車に関しては廃車発生品を流用するなど少し古い仕様となっていた車両たちでした。しかし、キハ143に関しては当時のJR北海道の最新鋭の気動車キハ150とほぼ同じ性能の台車が搭載。エンジン大出力なものを搭載し、キハ141や142よりも高性能な仕様として誕生しました。そのため特急もびっくりな最高時速110㎞を出せる高性能気動車となりました。更にキハ143のみ冷房装置も搭載し、よりサービス面でも優れた気動車となることに。その結果、現在ではキハ143のみ、2両×5編成がJR北海道で活躍しています。(キサハ144はエンジンを積まない不随車として誕生しました)
客車改造の気動車というのは国鉄のキハ08系であったり、JR西日本のキハ33系であったり、この形式以外にも誕生している実績はあります。しかし、改造費用が高額であったり、扱いにくかったりと大量に誕生することはなく、特にキハ08系に関しては短命に終わるなど、失敗作と言わざるを得えないような状況でした。その一方、キハ141系列は44両もの大量製造が行われ、更に現在もなお活躍しているということで、客車改造の気動車としては稀有な成功例と言っても良いでしょう。キハ143はそんな珍しい気動車です。



そんなキハ143系、実際に乗車してみると客車時代の名残を味わうことが出来ます。そんな客車時代の名残をご紹介していきましょう。

まずは、車内です。ボックスシートロングシートが組み合わされた車内となっています。

50系時代の一番の名残はこれ。車内の仕切り跡です。
50系時代には、車内とデッキの間に仕切りがありました。しかし、気動車に改造する際に、その仕切りを撤去してしまったため、現在ではその跡のみが不自然に残っています。普通の気動車では味わえない独特な雰囲気が漂う空間です。

窓に関しては北海道の50系オハフ51形の特徴である二重窓がそのまま残っています。車体はそのまま流用したので、窓もそのままです。
このように国鉄の雰囲気漂う素晴らしい空間です。

そんなキハ143も室蘭本線からの撤退が発表され、今後は引退の可能性が高くなっています。50系時代から考えると既に40年以上活躍している古い車両ですから、引退も致し方ないでしょう。一方で、室蘭本線の撤退が決定しているにも関わらず、今年の2月には全般検査を通し、綺麗に再塗装された車両が登場するなど、手の込んだ整備が未だに続けられています。一応、形式自体の引退は発表されていませんが、大半の見方は引退だろうと言われています。しかし、こういった検査の動きなどから、もしかすると…という希望が見出せるような気もしますが、果たしてどうなるでしょうか。他線への転属はあるのでしょうか?この辺りは注目です。
最後までご覧いただきありがとうございました!