こんにちは!
今回は伊予鉄道に関する記事を書いていきたいと思います。
愛媛県内の中小私鉄の伊予鉄道。伊予鉄は市内電車と呼ばれる路面電車と、郊外電車と呼ばれる通常の鉄道を運営しており、郊外電車の方ではかつて関東で走っていた中古車両が活躍しています。その形式が元京王1000形の700系と、元京王3000系の3000系です。
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700系
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3000系
その他にも独自設計の610系も活躍していますが、中古車両はこの2形式となっています。今回はそのうち、3000系を扱いたいと思います。
伊予鉄で活躍している3000系は京王3000系の中でも最も後期に製造された最終グループの車両となっています。製造年は1983年~1987年となっており、車齢40年ちょっとと、そこまで古くはないグループとなっています。最終グループは2009年~2011年にかけて京王井の頭線での置き換えが進み、伊予鉄への譲渡もそのころに行われました。伊予鉄としては18m車体で当時車齢30年も経過していないステンレス車両ということで、非常に良い出物でしょう。1983年以降に製造された3000系のうち、10編成30両(クハーモハークハ)が譲渡されました。
この3000系、譲渡に際しかなり徹底した改造が行われています。その一番のポイントが制御装置のVVVF化です。京王3000系の最終グループは界磁チョッパ制御を採用した車両となっていました。ところが、伊予鉄に譲渡された際、足回りがVVVFに改造されています。京王3000系は2000年代前半にかけて北陸鉄道・アルピコ電鉄・岳南電車・上毛電鉄の4社に譲渡されていますが、いずれも初期に製造された車両たちで、VVVF化なども行われていません。京王3000系の地方譲渡組としては唯一VVVF化改造が行われたスーパー3000系となっているわけですね。これらの4社の京王3000系はいずれも老朽化などにより置き換え最中か、もしくは置き換え計画がある状態となっていますが、伊予鉄の3000系については後期車でなおかつVVVF化改造が行われているということで、まだまだ活躍するのではないかと思われます。
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伊予鉄3000系の発車シーン。IGBT-VVVFが使われています。
車内に関してはそこまでの改造は行われていません。モケットも京王時代のピンクモケットを引き継いだ車内になっています。ただし、一部変わったポイントもあり、現在では一部編成の車内照明がLEDに改造されています。
また車内の一番の変更点がこのLCDです。譲渡直後から2020年ごろまでは3色LEDの案内表示器がついていたのですが、ここ最近LCDに変わっています。案内表示器の設置など、必要な設備はしっかり設置されているのですね。
このようにVVVF改造までされた、伊予鉄3000系。個人的に中小私鉄の車両としてはかなり好きな車両ですね。やはりVVVF改造されている点が非常に良いポイントかと思います。車体はステンレスと言うことで長く使えますので、この判断は良い物だったと思います。そして車内に関してはそこまで手をかけないということで、必要なところには金をかけ、不必要な場所には金をかけないという非常に合理的な車両かと思います。
伊予鉄は来年度以降、新型車両の導入が発表されています。この対象はおそらく700形のみですので、まだまだ活躍する姿を見ることは出来ると思います。700形の乗り治めと同時に、ぜひ隠れた名車の伊予鉄3000系にも目を向けてみると楽しいのではないかと思います。
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