こんにちは!
今回は八高・川越線の車両に関する記事です。
大宮~高麗川を結ぶ川越線と、八王子~高崎を結ぶ八高線。現在では、大宮~川越、高麗川~高崎、そして川越線の川越(川越線)~八王子(八高線)までの3つの系統に分かれ、この系統毎に使用車両が違います。今回はそのうち、八高・川越線の二つの路線を通る川越~八王子間で活躍している車両にスポットを当てたいと思います。もともと、川越線と八高線は全線非電化の路線で、気動車が活躍していた路線でした。しかし、1985年に埼京線が開業すると、川越線は埼京線と直通運転を行うことになります。そのため、埼京線開業と同時に電化。大宮~高麗川までの全線が電化されました。その後、1996年には八高線の八王子~高麗川間も電化されます。この電化に併せて、川越線の川越~高麗川間と、八高線の高麗川~八王子間で同じ列車を使用することになりました。1996年から現在まで八高・川越線の直通運転が続いているという形になります。
そんな八高・川越線の車両ですが、電化以来4両編成の車両が10編成ないし11編成と少数配置の状態が続いています。それにも関わらず、この路線は形式が1つに統一されたことが一度もないのです。電化以来、常に2形式以上が混ざって走っている、そんな路線になっています。これはJR東日本の路線だと非常に珍しいですね。八高・川越線と所属数や両数が同じような路線として、相模線・鶴見線・仙石線などが挙げられると思いますが、これらの路線は置き換え時期を除き、基本的に1形式に統一されています。ですが、八高・川越線はそうではないのですね。ここで下記のグラフをご覧ください。
※置き換え年や導入年を明確にするために、時間の長さを改変している部分がございます
ここで見てほしいのが、1996年の八高線電化以降、一度も一形式に絞られたことが無い点です。1985~1986年の川越線のみの電化期間は103系3000番台のみですが、1996年以降は必ず2形式は重なっているのが分かるでしょう。こういった点が非常に異端な路線だと思います。
混交の始まり、1996年~2005年
この期間は103系・209系の併存期間です。この期間は、1985年から元々は川越~高麗川間で活躍していた元72系からの改造車、103系3000番台が5編成と、八高線電化にあたって他路線から転属してきた純粋な103系の103系3500番台が1編成、そして八高線のために新製導入された209系3000番台4編成の2形式3番台、計10編成が入り混じった状態で活躍していました。形式混交の源はこのころからです。元々川越線で活躍していた103系をそのまま使った上、足りない分は新製配置で補ったために、経年が大きく異なる2形式が混じることになります。そのため、当然ながら終わりの時期も異なり、103系の置き換え用は209系よりも先にやってくることになります。その後継車が205系とりんかい線の70‐000形でした。
始まりをそのまま引き継いだ2003~2018年
103系を置き換えるべく2003年にやってきたのが205系。その後、更にやって来たのがりんかい線の70‐000形(209系3100番台)。2005年は一時的に103系3000番台・205系・209系3000・3100番台の3形式4番台が入り乱れていた時期もありました。その後、103系を置き換えると、2005年からは205系5編成・209系3000番台4編成・209系3100番台2編成の2形式3番台11編成が共存することになります。(増発の影響で1編成増)103系の大多数を205系で置換、なおかつ209系3000番台は置き換え対象外となったため、引き続き形式が混交することになります。体制的には103系3000番台・3500番台がそっくりそのまま205系と209系3100番台に変わっただけというように、形式は変わったものの体制はそのまま引き継いだ形になりました。
源流は絶ったのに引き続き形式混交…2017年以降
その後、2010年代後半になり、205系も置き換えの時期が、209系は機器更新を行うかそれとも廃車にするかの選択の時期が、それぞれ迫ってきていました。ここでJR東日本が選んだのは205系・209系3000番台・3100番台の一掃でした。これまで、導入時期が異なるが故に形式混交状態が続いたわけですが、一掃してしまえば形式を統一できるはずです!ところがそうはならなかったのです。これらの車両を置き換えるためにやってきたのは、元総武線のE231系0番台6編成と209系500番台5編成。なんと、置き換え車両が形式混交の状態で転属してくることになったのです。本数的にはE231系のみを転属させるか、209系500番台のみを転属させるかということもできたことにはできたのですが、他路線との関係やE231系のモハの廃車を最小限に抑えるには、八高・川越線には形式混交の状態で転属させるのがベストだったのです。そのため、205系や209系3000・3100番台の一掃後も形式混交となるのが確定してしまったのです…。その辺りの詳しい事情は以下の記事に記載しています。
e231211.hatenablog.com
このような理由で置き換え後も形式が混交することになった八高線。2018年には一時的に205系・209系3000・3100・3500番台・E231系と、3形式5番台もの車両が混在する超異端路線になります。その後、2018年には205系が、2019年には209系3000番台が引退し、そこからはしばらく209系3100・500番台、E231系の2形式3番台の混交状態に。2022年に209系3100番台が引退したことに伴い、現在は209系3500番台とE231系3000番台の2形式2番台が混交する状態となっています。
このように電化以降、一度も車種の統一がされたことのない八高・川越線。10編成ないしは11編成しかいない路線でこれほどまでも長く、車種混交状態が続く路線はJR東日本だと、他にはないのではないかと思います。また支線系統には新型車両を導入するのが風潮の現在、最後に転属車を導入させたのが八高・川越線でもあります。こういった点でも非常に面白い路線ですね。現在でも乗りに行けば209系かな?E231系かな?といったガチャが楽しめる八高線。ぜひ乗車しに行ってみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!