こんにちは!
今回は南武支線に関する記事を書いていきたいと思います。9/13にE127系のデビューが予定されている南武支線ですが、最近ツイッターで205系1000番台からE127系への置換は進化点が少ないのではないか?という投稿がバズっていました。中には退化しているのでは?という投稿もあり、驚きました。今回はなぜこの置き換えを「退化」と見る人がいるのか、それを考えると同時に、E127系に置き換えるメリットも考えてみたいと思います。
退化した点
実際に見た目や車内など退化している点もあります。まずは退化している点から記載していきたいと思います。
205系(左) E127系(右)
205系とE127系の外観の比較
箇所 | 205系 | E127系 | |
---|---|---|---|
行先表示器 | 3色LED | 幕式 | 退化 |
前照灯 | LED | ハロゲン | 退化 |
パンタグラフ | シングルアーム | 菱形 | 退化 |
ドア数 | 4ドア | 3ドア | ー |
ドア機能 | 3/4カット | 半自動 | ー |
連結器 | 密連 | 電連 | ー |
205系とE127系の内装の比較
箇所 | 205系 | E127系 | |
---|---|---|---|
つり革 | 黒色三角形 | 白色おにぎり型 | 退化 |
モケット | 2016年更新(音符) | 新潟時代と変わらず | 退化? |
ドアボタン | 無 | 有 | 進化? |
袖仕切り | 205系標準型 | JRE新系列型 | 進化 |
網棚 | W1/2ポール、W4網 | ポール | 一部進化 |
変更点はだいたいこんな感じでしょうか。確かに退化している部分も多くありますね。なぜE127系よりも古い205系を置き換えることで退化する部分が出てくるのでしょう。それは205系が2度ほど改造された車両だからです。まず1度目の改造が2002年ごろ。この205系は元々中間車の車両だったので、先頭化改造をした上で南武支線に導入されました。その際に、前面に関しては2000年当時の割と新しめの顔が採用されたのですね。そのため、行先表示器はLEDであり、ライトもHID(当時)であるといった具合で顔部分のみ2000年の新しい仕様なわけです。一方E127系は1995年製造です。そのため、顔部分だけ考えればE127系よりも新しいことになり、デザインが新しくて当然なんですね。そのため205系よりも古く見える部分があるということになります。そして二つ目の改造が2016年ごろ。205系は2016年の小田栄駅開業に合わせて簡易的なリニューアルを行いました。つり革やモケットの交換、帯の一部変更などですね。この際に簡易的なリニューアルを行ったため、車内もそこまで古さを感じないんですね。一方E127系のつり革やモケットは新潟時代と同じですので、少し古く見えると、主にこの二つの205系への改造が退化する点を生んでいるのでしょう。
もちろんE127系に置き換えるメリットは大きい
それではそんなに置き換える必要もないのでは?と思われるかもしれませんが、そうでもないんですよ。走行装置的に考えると205系とE127系は全くの別物ですからね。E127系に置き換えるメリットはVVVFの新系列電車、これがすべてです。当然ながらメンテナンスのしやすいVVVFということで保守は圧倒的にE127系の方がやりやすくなるはずです。そして最も大きなメリットと言えば新保全体系が適用される形式ということでしょうか。新保全体系と言うのは検査を走行距離ごとに設定する検査のことですが、南武支線で使う上ではこれが一番のメリットでしょうね。新保全体系なので走行距離が重なれば大規模検査を行うわけですが、南武支線で使う場合、短い路線ですので、走行距離が重なりにくいわけです。そうなると、検査回数が少なくて済むんですね。一方で205系の場合、走行距離に関わらず4年に一回は必ず大規模検査を通さなければなりませんから、長期的に見ればE127系は205系よりも検査回数を節約することが出来ます。更にVVVFは壊れにくいということで、205系のような故障も減ることでしょう。南武支線の車両を205系からE127系に置き換えるメリットはこういったところにあるわけです。
いくら205系の外装が新しいとは言えども、故障も結構起こしている形式で、最古参車両は製造から38年が経過します。機器も界磁添加励磁制御です。一方E127系は車齢28年ほどで、機器は2017年に更新されたIGBT-VVVFです。余っていたE127系の余生を過ごさせることが出来る上、205系の故障対策にもなる、南武支線へのE127系導入は決して無意味ではないということがお判りいただけたのではないかと思います。それと同時に決して「退化」ではないというのも、走行装置的には明らかです。ただ、E127系も若い車両ではないので、いつまで使うのかは気になるところではありますけれどもね。
ということで今回はE127系に関する記事でした。南武支線向けとは言えないE127系ですが、余っていた車両ですから、205系の故障対策として入れるにはちょうど良かったのではないかなと思いますよ。特段大きな改造も必要なかったのでね。今後はE127系と205系の混交体制になりますから、楽しみですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!