こんにちは!
今回は日光・きぬがわで活躍している253系1000番台に関する記事を書いていきたいと思います。
JRと東武は現在、特急列車の直通運転が行われています。JRの新宿駅~東武の日光駅・鬼怒川温泉駅を結んでおり、都心から日光や鬼怒川まで一本で行くことのできる特急列車となっています。この直通運転にはJR側、東武側がそれぞれ車両を準備しています。東武側が準備しているのが100系スペーシアで、JR側が準備しているのが253系1000番台です。今回はこの253系1000番台に関する記事となります。
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253系1000番台
東武直通用の253系は2編成用意されており、運用は2編成で回っています。
そんな253系ですが、この形式は東武直通用に新製されているわけではありません。元々は成田エクスプレスとして活躍していた形式です。成田エクスプレスは大船や新宿などから成田空港まで直通で結ぶ特急で、1991年から運行されています。253系は成田エクスプレスのデビュー時に誕生した形式となっており、もともとは空港アクセス特急として活躍していた形式でした。1991年ということで、JR発足から間もないころに誕生した特急であり、世代的には651系や251系などと同じぐらいの製造です。そんなJR第一世代の特急のうちの一つ、それが253系ということになります。
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253系成田エクスプレス
253系の成田エクスプレスは割と短命でした。1991年に誕生した形式ではあるものの、2010年にはE259系への置き換えが完了し、成田エクスプレスを引退しています。つまり、成田エクスプレスとしての活躍期間は20年もなかったのです。JR第一世代特急でも、最も早く引退した形式でした。その後、ほとんどの車両が解体されるのですが、3連×2編成のみが長野電鉄に譲渡され、2011年より運行開始。さらに6連×2編成のみは1000番台に改造され、東武直通の日光・きぬがわ用に転用され、こちらも2011年から運行を開始しました。つまり、253系は現在、6連×2編成と3連×2編成が現役ということになります。
253系1000番台、転用改造はかなり本格的に行われています。車体の塗装変更はもちろん、座席の交換も行われました。そして最も大きな改造がVVVF改造です。もともと、界磁添加励磁制御を採用していた253系でしたが、転用時にIGBT‐VVVFに機器更新が行われています。
そんな253系ですが、1991年ごろのJR初期に誕生した形式ならば、すでに車齢30年を超えている古い形式なの?と思われるかもしれません。実は1000番台に関してはそうではないのですね。1000番台に改造された編成はまだ車齢20年ほどしか経過していません。
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大宮総合車両センター入場中の様子
1000番台の種車は2002年に製造されました。この年、日韓ワールドカップが行われた関係で、成田エクスプレスが増発することになり、この増発に対応するために253系6連2編成を新製しました。この際に製造された車両は253系200番台と名づけられました。この200番台、2000年代当時としては珍しくVVVFではなく、界磁添加励磁制御で製造されました。制御装置を含む足回りについては、205系から流用されているようで、205系の武蔵野線転属時、VVVFに機器更新をした際に余った機器類を再利用し、253系200番台に流用したようです。このように、日韓ワールドカップをきっかけに誕生したのが253系200番台です。
その後、2010年に253系が引退した際、200番台も引退することになったのですが、この2編成はまだ車齢10年も経過していない、新しい車両たちです。そこで、当時日光・きぬがわで活躍していた485系や183系を置き換えるために、この200番台が使われることになります。VVVF改造なども行われ、200番台は1000番台に改造され、日光・きぬがわ用に転用されたのでした。
このように253系200番台は実は製造時期を考えると、E257系と同じぐらいに製造された車両なのです。このように考えると、日光・きぬがわ用の253系は実はそんなに古い車両ではないということがわかるのではないかと思います。車体が鋼製なので、メンテナンスは少し面倒かもしれませんが、足回りはVVVFで車齢もそんなに古くない、そんな車両になっています。このように考えるとまだまだ活躍できそうな気はしますが、近年引退が近いのではないかという噂も聞きます。(根拠はない噂ですが…)253系の今後にも少し注目していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!