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今回は415系1500番台に関する記事です。臨時列車に充当されるなど、最近話題のJR九州の415系ですが、今回扱うのはJR東日本の415系1500番台です。JR東日本ではかつて415系1500番台が在籍していました。415系1500番台は国鉄とJRにまたがって製造されたため、国鉄製の車両とJR製の車両の2種類の車両が存在します。国鉄製の車両はK525~K531編成、及びK820編成の8編成、JR製車両はK532~K543編成及びK860編成の14編成がそれぞれ該当します。一見同じように見える415系1500番台ですが、K532,K533編成を除くJR製の車両12編成と、国鉄製の車両ではじゃっかん性能が違います。この性能の違いから、実はK534編成以降の車両は415系を名乗る資格はないのではないかということを記事にしていきたいと思います。
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415系JR東車
そもそも415系とは…?
そもそも415系とはどういった形式なのでしょうか。415系というのは、403系・423系の派生形式です。交直両用の車両で、415系は403系及び421系とほぼ同じ性能で製造されました。403・421系は1965~1968年、415系は1971年から製造されており、製造期間の差も3年ほどしかありません。使用されているモーターも両形式ともMT54が使われており、性能面もほぼ変わりません。それではこれらの形式の違いはなんでしょうか。それは、50Hzと60Hz、どちらの周波数にも対応しているか否かです。
ご存じの通り、交流には東日本が50Hz、西日本は60Hzと、周波数の違いがあります。403系・423系はどちらかの周波数のもとでしか活躍できなかったのですね。それぞれ403系が50Hz専用車、423系が60Hz専用車となっており、それぞれ東日本の常磐線には403系が、九州には423系が導入されていました。このようにどちらかの区間でしか走れなかった両形式、これをどちらでも走れるようにしたのが415系です。つまり、415系は403系と423系の統合形式のような形ですね。
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415系鋼製車、見た目はほぼ403・423系を踏襲していました。
この仕組みに則って、415系は全車両50Hz、60Hz両方の区間で走れるように製造され、実際に常磐線から九州に転属する415系も存在していました。その後も、増備が続いていきますが、1987年4月に国鉄分割民営化が起こります。国鉄分割民営化をしてしまうと、会社がそれぞれ分かれてしまいましたので、全国転属をする必要がなくなり、415系が設計されたころのように両方の周波数に対応する必要性がなくなってきました。そこでJR東日本がどのようなことを行ったのかというと、1500番台の24編成目(K534編成)以降、なんと50Hz専用の415系を製造してしまったのです。そう、せっかく両方の周波数に対応するために設計されていた415系の意味がなくなってしまったのですね(笑)50Hz専用の交直両用車両、これって先ほどまで説明していた403系そのものではないですか。こういった点を考えると、K534編成以降の1500番台は415系1500番台と言うよりは、403系1500番台なのですね(笑)
理屈的には、50Hz専用が403系、60Hz専用が423系、50,60Hz両用が415系なのですから、50Hz専用のK534編成以降の車両は403系を名乗るべきなのですよ、ただ、K534編成が製造されていた時期は、既に403系の最終編成の製造から10年以上が経過していましたし、60Hzに対応していないだけで、性能面は変わりありませんので、JR東日本内で活躍するにはなんら問題はありませんね。わざわざ403系に戻す必要もないだろうということで、そのまま415系という形式名が使われているものと思われます。
ただ、本来ならば、60Hzを走れないのですから、K534編成以降は415系を名乗る資格は無いということになります。実質403系なのに、415系を名乗っているという、少し技能詐称的な編成ということですね(笑)
このように色々と面白い編成がJR東日本には居たのですね。415系1500番台がまだまだ活躍しているのを見ると、このような特殊な車両たちも思い出すものです。
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