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【寄せ集め】「ゲテモノ4種混合編成」205系M32編成とは何なのか?


こんにちは!
今回は武蔵野線205系に関する記事を書いていきたいと思います。
武蔵野線にはかつて43編成の205系が所属しており、個性的な編成が多く在籍していました。今回はそんな205系のうち、最も人気の編成だったと言っても過言ではない、205系5000番台M32編成を扱っていきたいと思います。


205系 M32編成



この編成は2005年8月に組成された編成です。武蔵野線205系の中では割と最後の方に落成した編成となっています。その後、およそ14年間活躍し、2019年3月29日に新津に配給。そして、そのままジャカルタに譲渡されました。現在ではジャカルタで活躍しています。

そんなM32編成、見た目は一見普通の205系に見えるのですが、この編成は非常に特徴的な編成で、現役時代「ゲテモノ4種混合編成」などと呼ばれていました。初見の方は「?」と思うようなあだ名だと思いますが、このあだ名がついた由来はしっかりとあります。なぜこのように呼ばれていたのかと言うと、M32編成は性質の違う4種類の種車から組成されている編成だからです。まずは解説のために組成表を記載していきます。

  種車 ドア窓
1号車 クハ205‐14 元トウ14編成
2号車 モハ205‐5063 元トウ53編成
3号車 モハ204‐5063 元トウ53編成
4号車 サハ205‐156 元ハエ6編成
5号車 サハ205‐157 元ハエ6編成
6号車 モハ205‐5064 元ケヨM61編成
7号車 モハ204‐5064 元ケヨM61編成
8号車 クハ204‐14 元トウ14編成

この編成表をみても分かる通り、元トウ14編成、元トウ35編成、元ハエ6編成、元ケヨM61編成の4編成から成り立っています。この影響で、編成間のドア窓の大きさが特殊になってしまいました。4編成を種車とし、編成間のドア窓の小窓・大窓の車両のバランスが特殊である。この2つがゲテモノ4種混合編成と呼ばれる理由です。
まずは4編成間中の種車から成り立っているという点から。実はM32編成以外にも4編成の種車からなる編成というのはいました。しかし、M32編成は4編成からの寄せ集め編成の中でも、更に特殊な寄せ集め編成となっています。それが元々武蔵野線で活躍していたM61編成のモハを組み込んでいることですね。基本的に種車が複数からなる編成は山手線と埼京線の車両を組み合わせた編成が多数を占めていました。そんな中、M32編成は山手線・埼京線武蔵野線と3つの路線で活躍していた車両を種車として組成されました。こういった種車の組み合わせが特殊なわけですね。
続いて、ドア窓について。編成中に大窓と小窓の2種類の205系が組み合わさっている編成というのは、こちらも他の編成にも存在しましたが、他の編成は4・5号車のサハのみが大窓という編成ばかりでした。しかし、この編成は6・7号車も大窓になっており、小窓4両、大窓4両という非常に特殊な比率になっています。こういった点が珍しい編成だったのですね。更にドア窓が大きい4両の中にも差異があり、6・7号車のモハのドアエンジンは、M61編成から引っ張ってきている影響で、4・5号車のサハとは異なるものが使われています。一見同じように見える大窓車の中にも違いがあり、こういった点も特殊な点です。こういった理由でゲテモノ4種混合編成などと呼ばれていたのです。



では、なぜこんなにも特殊な寄せ集めの編成となってしまったのでしょうか。これには埼京線りんかい線直通が影響しています。埼京線りんかい線と直通運転を開始する際に、予定されていた編成数よりも、205系が1編成プラスで必要となりました。ここで、当初武蔵野線に持っていく予定であった1編成を埼京線にもっていってしまい、武蔵野線側は車両が足りなくなってしまいまったのです。クハなどはもともと八高線に行く予定であった205系の車両たちや、南武線などと調整し、何とか予定数を確保することが出来ました。しかし、モハユニットだけは、1ユニット分どうしても確保できなかったのです。これではM32編成のモハユニットが足りません。ここで注目されたのが武蔵野線生え抜きの非VVVF車、M61編成です。武蔵野線で活躍していた205系は、VVVF205系は4M4TというMT比となっていましたが、非VVVF205系は6M2Tという電動比率でした。つまり、武蔵野線で走っている非VVVF車をVVVFにしてしまえば、モハユニットを1ユニットねん出できるのですね。そこで、M61編成をVVVF化し、一ユニットをM32編成にねん出することになります。このような形で、モハユニット不足を乗り切り、M32編成は種車が元武蔵野線のモハユニットを含む4編成からなる寄せ集めの編成となったのです。

このように特殊な事情で誕生したM32編成ですが、現在はジャカルタで12連を組んでおり、更に複雑な組成になったようです。一度見に行ってみたいものです。

過去にM32編成を紹介したYouTubeがあったことを思い出しましたので、一応リンクを貼っておきます。4年前の雑な編集動画なので、ドア窓の大きさの違いが分かりくい方には少しぐらいは参考になる程度のものかなと思います。
youtu.be

youtu.be
↑はM32編成のジャカルタ配給の様子の動画です。

最後までご覧いただきありがとうございました!