てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

てつとおのブログ

主に鉄道記事、アニメ感想を書いています。

JR九州の「脱水戸岡デザイン」は本当なのか 二つの改造車両を基に妄想


こんにちは!
今回はJR九州に関する記事を書いていきます。
先日、JR九州から新たな観光列車の誕生が発表されました。デビューは2024年春・運行区間は博多~別府となり、久大本線経由での運行となるようです。久大本線では既にゆふいんの森号という観光列車と、ゆふ号という特急列車が運行されています。久大本線に新たな魅力が加わることとなりそうですね。新たな観光列車は、現在不通となっている肥薩線で使われていた「いさぶろう・しんぺい」用車両を再改造するという事です。D&S列車の再改造は昨年秋にデビューしたふたつ星4047でも行われています。これと似た事例になると思われますね。そんな新たな観光列車、ネットを震撼させたのはデザイン担当です。この観光列車、デザイン担当はIFOO(イフー)という会社が行うようです。この会社は、鹿児島市のデザイン会社のようですね。これまでのJR九州のD&S列車は全て水戸岡鋭治氏が担当してきており、JR九州のほとんどの列車が水戸岡デザインとなっています。そんな中で、今回は水戸岡デザインが採用されていないということで、非常に話題となりました。それと同時に、JR九州が水戸岡デザインを採用することはなくなるのではないかと言われてもいますね。今回はそんなJR九州の「脱水戸岡デザイン」について少し考えてみたいと思います。


種車となるいさぶろう・しんぺい


本人が引退を匂わせる発言をされていたというお話

まずは水戸岡氏の過去の発言から考えてみたいと思います。実は水戸岡氏、過去に引退を匂わせる発言を行っていることがあります。その一例を紹介しますと、昨年の4月に公開された東洋経済の記事です。
toyokeizai.net
ふたつ星とななつ星のリニューアルに関する記事です。この記事の最後の方にこのような発言があります。

水戸岡氏は1947年生まれ。「私の年齢からいって、(ななつ星のリニューアルは)今回が最後の仕事」と覚悟を示す。

水戸岡氏自身が車両デザインはななつ星のリニューアルが最後の仕事と発言されていたのです。この記事を昨年見たときに私は物凄く衝撃を受けた記憶がありましたが、この発言が嘘では無かったことを証明するかのように、今回は水戸岡デザインではなくなっています。一部ではJR九州と水戸岡氏の決裂なのではないかなどと言われていますが、私はそんなことは全く考えられない(小倉工場の見学ツアーなどのイベントなどにも参加されていますし)と思っており、今回のデザイン担当が水戸岡氏ではないのは単純にご年齢の都合から引退を考えてのことなのではないかと思っています。

引退の予兆はあった?近年リニューアル工事が行われた二つの形式に採用されていなかった水戸岡デザイン

実はこのような水戸岡氏の引退を見越したと思われるJR九州の行動の予兆はあることにはありました。近年リニューアルされた車両の中に、水戸岡氏がデザインしていない車両があったのですね。その一つ目が811系リニューアル車です。


811系リニューアル車

2017年にデビューしたリニューアル車。水戸岡デザインのように見えますが、実は水戸岡氏がデザインした車ではないのです。この811系はあくまでも自社考案のデザインとなっています。では、水戸岡氏が全く関わっていないのかと言えばそうではなく、水戸岡氏は監修という立場で関わっています。水戸岡デザインにリニューアルすることが目的ならば、わざわざ自社デザインにする必要はないわけで、敢えて水戸岡氏を監修という立場に置いたのは、この時点でJR九州が世代交代を目指していたのではないかということが考えられるわけです。このように先駆者が監修という立場でアドバイスに留まるやり方は多くの業界で行われている後継者育成の方法です。このように2017年の段階で世代交代を見込んだ動きと言うのは起きていたのではないかということですね。

そしてもう一つ、水戸岡氏の関わっていないデザインといえば、昨年の秋から運行を開始した長崎地区のキハ47です。


キハ47
こちらのキハ47は水戸岡氏の監修とすら書かれていません。更にデザインの担当会社も書かれていないので、おそらく自社デザインと思われます。(ちなみに白色のキハ47は外注(TAKAHIROさん)なので、ちゃんとデザイナーの氏名が公表されています)このように、811系では水戸岡さん監修のもとで自社デザインとしていましたが、このキハ47は完全に水戸岡さんの手が入っていないデザインとなっています。もっとも、この車両のデビュー時期は西九州新幹線・ふたつ星4047・ななつ星リニューアルと立て込んでいた水戸岡さんですので、観光列車にプラスして在来線車両まで依頼できるような状況ではなかったということも考えられるでしょう。しかし、在来線の車両も含め、水戸岡氏に頼りっぱなしであったJR九州が久々に完全に独立してデザインした車両がこの長崎地区のキハ47です。このように、水戸岡氏の引退を見越して、引退後も素晴らしい車両を作る方法をJR九州はだいぶ前から模索しており、まさしくその成果が表れたタイミングがこの時期である。このタイミングでの脱水戸岡デザインは予定調和と言えるのではないかと思います。



このように今回の脱水戸岡デザインは、水戸岡氏の引退が影響しているのではないかと思いますね。ちょうど今年の4月に集大成のようなデザイン図鑑を発刊されていたことから考えても、やはり水戸岡氏は一線を退くタイミングを西九州新幹線関連が最後と決めていたのではないかと思います。それをJRに伝えていたからこそ、811系のように、水戸岡氏にアドバイスを貰える環境で、JR自社でもデザインが出来るように勉強していたのだろうと、そのように思いますね。今後はおそらくJR九州の自社デザインの車両と、様々な企業に外注する車両の両方が誕生していくことになるのだろうと思います。ちなみに、このようになるからといって水戸岡色が完全に消えるとは思っていません。水戸岡色を消したいのならば、811系の監修を水戸岡氏に依頼していないはずですので。水戸岡氏からの学びを基に、少なくともJR九州は自社デザイン車両は水戸岡色を受け継いだ雰囲気で作っていくのではないかと思います。今回のキハ47もかなりデザインに拘っており、やはり水戸岡氏の影響を受けたデザインだなと感じる所がありますしね。今後のJR九州の車両がどのようになっていくのか、楽しみですね。
今回は完全な想像の記事でしたが、本当のところはJR九州と水戸岡さんご本人にしか分かりませんからね。ただ、小倉工場ひろばが作られていることなどを考えても、JR九州が水戸岡氏を切ったなどという考えにはならないのかなと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!