こんにちは!
GWは鉄道の動きはほとんどない!ということで、ネタ切れの日々が続いています(笑)こういう時は、以前から書きたいと思っていた資料的な記事を書くのが一番!ということで、昨日から訓練車まとめ記事なんかをアップしています。今回は以前から書きたいと思っていた東武野田線8000系の現役全編成解説記事を書いていきたいと思います。野田線では現在16編成の8000系が活躍していますが、それぞれ様々な特徴をもった個性的な編成たちとなっています。そんな個性的な車両たちの大まかな特徴をまとめていきたいと思いますので、是非ご覧ください。
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6連×16編成 | 至大宮 | ◇ | ◇ ◇ | 至柏(女性専用車) | |||
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編成番号 | 1号車(クハ) | 2号車(モハ) | 3号車(サハ) | 4号車(モハ) | 5号車(モハ) | 6号車(クハ) | 製造年 |
8111F | 8411 | 8811 | 8711 | 8311 | 8211 | 8111 | 1963 |
8158F | 8458 | 8858 | 8758 | 8358 | 8258 | 8158 | 1972 |
8159F | 8459 | 8859 | 8759 | 8359 | 8259 | 8159 | 1973 |
8162F | 8462 | 8862 | 8762 | 8362 | 8262 | 8162 | 1973 |
8163F | 8463 | 8863 | 8763 | 8363 | 8263 | 8163 | 1973 |
8164F | 8464 | 8864 | 8764 | 8364 | 8264 | 8164 | 1973 |
8165F | 8465 | 8865 | 8765 | 8365 | 8265 | 8165 | 1974 |
8166F | 8466 | 8866 | 8766 | 8366 | 8266 | 8166 | 1974 |
8170F | 8470 | 8870 | 8770 | 8370 | 8270 | 8170 | 1976 |
8171F | 8471 | 8871 | 8771 | 8371 | 8271 | 8171 | 1976 |
8172F | 8472 | 8872 | 8772 | 8372 | 8272 | 8172 | 1976 |
8192F | 8492 | 8892 | 8792 | 8392 | 8292 | 8192 | 1980 |
81110F | 84110 | 88110 | 87110 | 83110 | 82110 | 81110 | 1982 |
81113F | 84113 | 88113 | 87113 | 83113 | 82113 | 81113 | 1982 |
81114F | 84114 | 88114 | 87114 | 83114 | 82114 | 81114 | 1982 |
81117F | 84117 | 88117 | 87117 | 83117 | 82117 | 81117 | 1983 |
8111F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1963年・1972年(車齢60・51年) | 日本車輛 | 1986年 | 2023年10月(全検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
幕式 | 丸ライト | クリーム塗り | 無し |
8111Fは現役最古参の8000系です。製造は4・5号車以外は1963年11月30日製造で、今年の11月30日で車齢60年を迎えます。4・5号車は1972年製となっています。この車両は新製から一貫して東上線で活躍していた車両で、1963年から2011年まで活躍し続け、2011年に東上線を引退しました。その後、8111Fは廃車となるのではなく、東武博物館に所有が移った上で、動態保存車両となりました。それ以来、本線系統を中心にイベント列車などで使われてきました。その後、コロナ禍が始まると、しばらく動態保存車両としての運用にはつかず、検査も通さない状態が続いていましたが、2023年10月に晴れて検査出場。その出場を沖に、8111Fは七光台に転属することが発表され、野田線で営業運転に就くことが決定しました。そして2023年10月28日に七光台に転属。11月1日より、営業運転を開始しました。8111Fの野田線転属により、野田線に原型顔車両が復活しました。原型顔は2009年3月9日の8104F廃車以来の復活となります。令和の時代に現れたまさかの8000系。野田線に8000系が転属してくるのは、2011年2月14日の8192F転属以来のことです。
8158F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
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1972年(車齢51年) | アルナ工機 | 1997年 | 2023年1月(重検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 白塗り | 無し |
8158Fは昨年に8150Fに続いて車齢50年を突破した編成になります。この編成の50年突破を皮切りに今後多くの編成が50年を突破していきます。この編成は「初めて尽くし」の編成です。まず、同じ日に落成した8156F、8157Fと共に初めて新製時から冷房を搭載した編成でした。そして修繕工事では初めてLED表示器+HID灯という、後期修繕の改造メニューが行われた編成でもあります。こういった過去の履歴が珍しい編成であったりもします。検査は今年の1月に受けているということで、8000系の中では比較的最後の方まで残りそうな、そんな編成ですが、次回検査はもう無いと思われます。
8159F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
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1973年(車齢50年) | アルナ工機 | 1997年 | 2021年9月(全検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
幕式 | ハロゲン灯 | 白塗り | 無し |
8159Fは幕式の編成です。野田線では3編成しかない幕式の編成ですので、こちらの編成も人気の高い編成ですね。この編成は2023年5月30日に車齢50年を迎えました。
8162F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1973年(車齢50年) | 富士重工 | 1998年 | 2021年9月(重検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 白塗り | 無し |
前後の8159F、8163Fが幕車となっている中、8162Fは後期修繕が行われています。この編成は経歴が面白く、2010年に東上線から転属してきています。実は60000系や10030型が導入される前に、8000系の最初期編成を置き換える動きがありました。その置き換えのために、2010年~2011年に東上線から8000系が4編成、野田線に転属しています。その4編成のうちの1編成ということになります。野田線での活躍歴は10年ちょっとと野田線在籍歴はそんなに古くない編成です。2023年6月13日に車齢50年を迎えました。
8163F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1973年(車齢50年) | 東急車輛 | 1996年 | 2023年4月(全検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
幕式 | ハロゲン灯 | 白塗り | 無し |
8163Fは3編成しかいない幕車の中で最も若い編成です。とは言えども、2023年6月15日で車齢50年を突破します。この編成も2010年からの東上線転属組です。転属組4編成の中では唯一の幕車となっています。また鉄道コレクションの野田線8000系はこの編成が製品化されています。検査を受けたばかりという事でこの編成も比較的最後まで残る編成なのではないでしょうか。
8164F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1974年(車齢49年) | アルナ工機 | 1997年 | 2022年6月(重検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 白塗り | 無し |
8164Fは1995年に転属しており経歴も一般的な野田線の8000系と同じ編成です。ちなみこの編成、なぜか製造元が富士重工とアルナ工機のどちらかはっきりしていない編成です。一応東武鉄道の見解としてはアルナ工機ということで、表にはアルナと書きましたが、8164Fの実際の車両についている名盤は富士重工となっています。
8165F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1974年(車齢50年) | アルナ工機 | 1998年 | 2022年8月(全検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 白塗り | 無し |
8165F、こちらも一般的な野田線の8000系と同じような経歴で活躍し続けています。この編成は2022年の例の液体事件の当該編成です…(笑)当時、検査期限間近のボロボロな状態で、報道ではエアコンの廃液ではないのか?なんて疑惑をかけれていましたが、結果としては洗車機の水だっということで、8165Fが悪いわけではなかったと、そういったちょっとした騒ぎがありましたね。懐かしいものです。現在はちゃんと再塗装や屋根整備も行われ綺麗な状態で活躍しています。
8166F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1974年(車齢49年) | アルナ工機 | 1998年 | 2023年5月(全検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 白塗り | 無し |
個人的遭遇率が最も低い8166Fです。なぜかほとんど見ませんね。前回検査が2019年6月だったこともあり、まもなく検切れということで、南栗橋入場中です。(記事執筆時点) この後の8167~8169Fが既に廃車になっているため、現在活躍している8000系では最も若い60番台です。この編成に関しても特筆する特徴は無いかなと思います。
8170F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1976年(車齢47年) | アルナ工機 | 1998年 | 2023年8月(重検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 無塗装 | 無し |
この編成からはマイナーチェンジ車です!8167Fから車両の一部が変更されたマイナーチェンジ車が登場します。まず搭載されている台車の変更。台車にS形ミンデン台車が使われるようになります。(66F以前はミンデンドイツ)そして客室内のドア、これまでは白塗りにされていましたが、無塗装でセミステンレスがむき出しの状態になっています。こういった変更が8167Fから行われています。先述の通り、8167~8169Fが既に廃車になっていますので、このマイナーチェンジ車で一番古い車両は現在は8170Fということになります。
8171F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1976年(車齢47年) | アルナ工機 | 2000年 | 2022年7月(全検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 無塗装 | 無し |
そのまま連番で8171Fです。車両の特徴としては8170Fと同じグループです。修繕としては2000年代修繕車ということになります。この編成は2010年からの東上転属組の1編成で、2010年11月に野田線に転属してきました。8170Fとは連番でも2010年までは違う路線で活躍していたわけですね。現在では共に野田線で活躍しています。
8172F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1976年(車齢47年) | 富士重工 | 1999年 | 2021年10月(重検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 無塗装 | 無し |
8172Fは8170Fと同じ特徴で、経歴もほぼ同じです。1990年代に野田線に転属し、そこから野田線で活躍しています。この編成も特筆すべき特徴は特にないのかなと思います。
8192f
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1980年(車齢43年) | 東急車輛 | 2001年 | 2023年2月(全検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 無塗装 | 無し |
野田線8000系の中でも唯一の90番台、かなりの異色を放つ8192Fです。下二桁が80番台~90番台の8000系はほとんどが8両編成で製造されました。そんな中、80~90番台の中で唯一6両編成で登場したのがこの8192Fです。この編成も2010年からの東上転属組です。これで東上転属組4編成すべてが明らかになりましたね。80番台以降の8000系は2000年代前半に多くの編成が3両や4両編成に短縮改造され、東上線の末端区間や館林ローカルのワンマン用に改造されました。そしてワンマン改造対象外となった車両は91F以外が東上線に集約されて、活躍していました。8192Fも東上線で活躍していた編成の1編成です。しかし、ワンマン対象外の90番台は8192F以外は全て8両固定編成だったので、東上線撤退後はそのまま廃車となっていきました。そんな中、8192Fは6両編成だったために、七光台に転属。そのまま野田線の所属車両になりました。そのまま現在では野田線唯一の90番台として活躍し続けています。他に90番台がいないので、ものすごく存在感が強いと思いますね(笑)
81110F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1982年(車齢41年) | アルナ工機 | 2003年 | 2021年7月(重検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 無塗装 | 有り |
さあ、ついにインフレナンバーです。8000系の製造数が多すぎて、8199Fまで使ってしまったので、80000代までインフレしてしまった車両たちです。特に8000系の中でも若い車両たちです。これらの車両はこれまでの8000系とは全く異なります。主に修繕工事に力が入っているのですね。2003年以降に修繕された車両たちはスーパー8000系と呼ばれており、現代的なリニューアルが行われています。これまでの修繕との主な違いは、自動放送の取り付け、車内案内表示器の設置(LED式)、スタンションポールの設置、車外スピーカーの設置などです。これらの改造が行なわれており、これらはかなり現代的な設備が整った編成たちということになります。8192Fまでとは全く違った車内を楽しむことができる編成です。更に2013年ごろにはスーパー8000系の編成は座席がバケットシートに交換されており、この点も他の8000系とは異なる点です。乗って楽しいスーパー8000系。野田線全43編成中、3編成のみの希少車たちです。
81113F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1982年(車齢41年) | アルナ工機 | 2003年 | 2020年5月(全検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 無塗装 | 有り |
この編成もスーパー8000系です。基本的には81110Fと特徴も経歴もほぼほぼ一緒です。スーパー8000系の特徴は既に紹介したので省略します。この編成は前回検査が2020年5月ということで、新型車両の導入のタイミング次第では早期に廃車になるかもしれない編成です。もしかしたらスーパー8000系ということで新型車両が誕生していても検査を通すかもしれませんが、気になるところですね。早めに記録をしておく方が良い編成かもしれません。
81114F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1982年(車齢41年) | アルナ工機 | 2003年 | 2022年3月(重検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 無塗装 | 有り |
81114Fも81110Fや81113Fと特段変わりはない編成ですね。しかしこの編成は経歴が少し特殊で、1990年前半に一度七光台に転属していますが、その後1990年代後半に春日部に逆戻り。更に森林公園に渡り歩いて、2000年前半に春日部に再び逆戻り。そして2009年に再び七光台に配属されるといった、かなり浮浪した人生になっています(笑)81110Fや81113Fのように長年野田線で活躍している車両というわけでもありません。これが目立つ特徴かと思います。
81117F
製造年 | 製造箇所 | 修繕 | 前回検査 |
---|---|---|---|
1983年(車齢40年) | 富士重工 | 2003年 | 2022年4月(全検) |
行先表示器 | ライト | ドア | 自動放送・車内案内設備 |
LED | HID灯 | 無塗装 | なし |
さあ、ラストは81117F!この編成で16編成紹介完了です!この編成は全ての8000系の中で一番最後に製造された車両です。番号的には81120Fまで存在しますが、落成日は81117Fの方が後になっています。この編成もインフレナンバーなのでスーパー8000系?と思われるかもしれませんが、81117Fだけはスーパー8000系では無いんですね。2003年度以降の修繕編成がスーパー8000系ですが、81117Fは2003年の2月修繕と言う事で、ぎりぎり2002年度だったのですね。ということで、81117Fはスーパー8000系ではありません。経歴的には一般的な8000系と同じく、1990年代からずっと野田線で走っています。
〇廃車となった編成
8111Fの転属から再開した8000系置換の動き。廃車編成に関しては、記事からは削除せず、別枠で残したいと思います。
8150F
製造年 製造箇所 修繕 前回検査 1969年(車齢54年) ナニワ工機・日本車輛 1995年 2020年3月(重検) 行先表示器 ライト ドア 自動放送・車内案内設備 幕式 ハロゲン灯 白塗り 無し 2023年11月7日 引退(置き換え編成:8000系8111F)
8150F東武鉄道保有の営業用の8000系としては現役最古参の編成です。今年の10月で編成中の全車両が車齢54年を迎えます。この古さから野田線の8000系でも一際人気の編成です。8150Fはもともとは4両編成の車両として活躍していましたが、1995年に七光台に転属する際に、8550Fを中間車に改造し、それを組み込むことで6両編成にした状態で、七光台に転属しました。つまり、現在の4・5号車は元先頭車ということになります。そのため、4・5号車のみ一足早く、今年の4月に製造から54年を迎えており、製造箇所も日本車輛となっています。この編成は2024年3月が検切れとなることで、2024年度からの新型車両の導入の前に検査を受けるのか、それとも真っ先に廃車になるのか、その瀬戸際の編成となっており、どういった対応が取られるのかが注目の編成です。
さあ、こんなところでしょうかね。
このように色々と並べてみると、16編成それぞれに個性があって面白いでしょう?乗っていてもドアの違いなども含めて様々なバリエーションの8000系が来るのでとても面白いですよ。
そんな8000系が16編成そろっているのも、今年が最後でしょう。来年からは新型車両の導入によって8000系の廃車が再開します。私も今年は特に気合を入れて最後の思い出作りをしたいなと思っています。
最後までご覧いただきありがとうございました!