てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

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なぜ京成3448Fや3688Fが延命し、3700形や3400形に廃車が発生するのかを考える


こんにちは!
今回は複雑な京成の車両やりくり事情についての記事を書いていきたいと思います。
先週の1~2週間は京成電鉄の車両に大きな動きが発生した週となりました。まず一つ目が3400形の3418Fの部品取り外しが目撃されています。二つ目が3600形3688FにSRアンテナの取り付けが目撃されています。三つめが3700形の3748Fの3741号車の部品取り外しが目撃されています。今後の動きが気になる様々な車両の今後が決定した期間であったと思いますね。まさしく年度末らしい騒がしい動きだと思いますよ。ではそれぞれなぜこういった動きになっているのか、一つひとつ考えてみたいと思います。


3600形3688F(SRアンテナ取り付け目撃)


SRアンテナ取り付け予備でそもそも所属数が増えていた

まずは近年、京成がどのような車両配置になっていたかの説明です。近年SRアンテナの設置の際の予備車の確保のために所属数が増えている状況が続いていました。京成電鉄は2017年に3000形を3編成増備しています。この車両はどの車両の置き換えも行わず、予備車両を増やす目的で製造されています。一方で、この3000形の導入により、3700形1編成が北総電鉄へ、SRアンテナ取り付けの予備のために貸し出しされていますので、京成電鉄としては2編成増となっていました。この2編成分が、SRアンテナ取り付け予備車として8連車両の所属増となっていました。更に6連の編成も3600形の廃車を1編成遅らせることによって、1編成分の予備車を増やしており、8連にしても6連にしても予備車が増えています。この6連の予備車として残っていたのが3688Fです。このように予備車が増えている状況だったので、当初予定では3100形の増備を進めることと、2017年導入組の編成分の廃車をデジタル無線取り付け後に発生させることで、3400形と3688Fは廃車にできる可能性が高い公算だったものと思われます。
しかし、この京成電鉄の計画は狂います。その原因は二度の脱線事故の発生です。一つ目の事故が2020年に発生した北総7800形7818Fの青砥駅での脱線事故です。この事故で、7818Fは脱線した中間車2両が廃車となり、8連から6連に組みなおされ、京成電鉄に3748Fとして転属(返却)しました。この編成が返却された代わりに、京成からは8両編成の3768Fが1編成、北総鉄道へ貸し出されました。この穴埋めとしてスカイアクセス用の3055Fが本線に転属しています。本来ならば、3055Fは3400形を置き換えることが出来るはずであったのに、3768Fの穴埋めとなってしまったため、この時点で3400形は1編成延命されたということになります。一方で、北総から京成に転属した3748Fは6連に組みなおされた上で転属したため、京成の6連の編成数は1編成増えることとなりました。そのため、6連の3500形1編成を転属と同時に廃車にしてしまっています。この編成は脱線事故が起こらない限り、廃車予定は無かった編成だと思われます。しかし、6連が1編成増えたので、この当時であれば、3500形を廃車にしてしまっても、予備車両として残っていた3688Fは改造終了後には廃車にできる計算でした。
そんな中で発生したのが、昨年11月の京成3700形3788Fの高砂駅での脱線事故です。この事故で、3700形8連が使用不能となってしまい、更に8連の車両が使うことが出来なくなってしまいました。そんな状態を解消するために、先ほど高砂脱線事故の影響で6連化の上、北総鉄道から転属したと紹介した3748Fのうち2両が、使用不能となった3788Fの先頭車と中間車計2両の代わりに組み込まれることとなり、3788Fと3748Fを組み合わせることで、8連の車両の本数維持を図るという動きが発生しました。旧3788F6両と、3748F2両を組み合わせた新3788Fが誕生することになったのです。このことにより、8両編成の車両は高砂駅の事故前の編成数を確保することが出来たということになります。しかし、6連一本を犠牲にして8連を増やしている上に、6両の3500形1編成を3748F返却の際に廃車にしてしまったため、6連に車両不足が生じました。この車両不足を補うために、3688Fはデジタル無線を取り付けて延命ということになったのです。一方で、8連に片側の先頭車を譲る形となった3748Fの3741号車はペアを組む車両がいないため、今回そのまま部品取りになっているというわけです。
そして3418Fに関しては、デジタル無線の取り付け終了により予備が必要なくなり、更に脱線後離脱していた3788Fも復帰したため、このタイミングでの廃車となったわけですね。





京成3400形3418F(廃車済み)
ここからは別途、3400形の3448Fの延命についてのお話もしましょう。3400形のうち、1編成3448Fに関してはSRアンテナの取り付けが確認されており、こちらも延命することが確定しています。これはなぜなのでしょうか。この理由については、もともと2022年度に導入予定であった3100形の7編成目、3157Fの2022年度中の導入が中止となったことと、脱線事故の影響で3700形が1編成余分にリースされてしまったことが影響しているものと思われます。元々2022年度には3100形を1編成新造する予定でした。しかし、計画変更によってその計画が白紙撤回されてしまったのですね。このことにより本来誕生する予定であった3157Fが誕生していないという事態が発生しております。更に、当初予定していなかった3768Fの北総リースという事態も起こっているため、本来京成にいるはずだった2編成分の8両編成が存在していないのですね。そのため、この編成は延命せざるを得なかったと、こういうことになっているものと思われます。
このようにそれぞれの廃車・延命には様々な事情が積み重なっているのですね。
残る3400形のSRアンテナ未設置の3438Fについてはおそらく廃車になる可能性が高いのではないかと思います。
今回の3400形・3600形・脱線車両の一斉の動きにより、今後の気になる編成は3438Fぐらいになりましたが、果たしてこの編成はどうなるのか、注目です。
最後までご覧いただきありがとうございました!