こんにちは!
今回は仙石線の205系に目を向けてみたいと思います。
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仙石線205系
仙石線の205系は全部で17編成存在しますが、その中に、5編成のみ、座席が豪華な車両が存在します。その車両たちの車内には下記の写真のような座席を搭載しています。
写真を見たところ、ひじ掛けもついており、通常の205系よりも豪華な座席が搭載されていることが分かると思います。実はこのシート、写真はロングシートの状態ですが、クロスシートの状態に転換することが出来るのです。要するに、今の東武70090型や、しなの鉄道のSR1系などの座席指定サービス列車などにも搭載されている「2wayシート」が205系に積まれているのです。仙石線の場合は、クロスシートの場合でも、ロングシートの場合でも料金は不要で座ることが出来ました。そんな豪華な座席なのですが、実は現在、クロスシートの状態で運用に就くことはありません。2wayシートなのに1wayシートになっているのです。なぜ、クロスシート状態で使われなくなってしまったのでしょうか。そもそも、仙石線の205系にはなぜ2wayシートが搭載されているのでしょうか。今回はその点に触れていきたいと思います。
仙石線観光促進のため
そもそもなぜ205系に2wayシートが搭載されているのでしょうか。一言で言ってしまうと、観光促進のためですね。仙石線には海がきれいな区間もあります。その上、松島海岸や石巻など、観光の名所となる地域も沿線に存在します。そういった観光客向けの設備を設置することで、風景を生かした観光促進を行うために205系に2wayシートが搭載されました。
2015年の仙石東北ライン開業によって、仙石線の快速が廃止されます。2015年以前は、仙石線はあおば通りを出発した後、全区間仙石線を経由した快速となっていました。(東日本大震災以降はあおば通り~高城町間まで)しかし、2015年に仙石線が全線復旧となり、同時に仙台東北ラインが開業したことにより、仙石線の高城町駅と東北本線の松島駅付近の線路が結ばれました。そのことにより、石巻駅を出発したのち、高城町駅までは仙石線を走り、高城町駅~松島駅付近の連絡線を通り、松島駅付近からは東北本線を経由して、仙台駅に向かう「仙石東北ライン」が開業しました。(※松島駅には停車しません)このことにより、仙石東北ラインが石巻~高野町間の仙石線の快速運用を担い、更に東北本線経由で運行することにより、速達化が進んだことから、仙石線のみを走る快速は廃止となりました。
簡単にですが、路線図です。主要駅のみ掲載しました。
仙石東北ラインの高城町から松島駅付近間は非電化区間、更に東北本線区間は交流区間となっています。ですので、直流電車の205系は運行できません。そのため、仙石線の205系が仙石東北ラインの車両に使われることはありませんでした。更に、仙石線の快速もなくなったので、205系で運行される快速運用が廃止となりました。ここで、2wayシートの車両に目を向けてみたいと思います。実は、2wayシートがクロスシートとして使われなくなったのは快速廃止と同年でした。速達列車としての役割を仙石東北ラインに譲り、205系は仙台近郊の輸送が中心の運用となったため、205系の2wayシートはクロスシートでは使われなくなったのですね。仙石東北ラインで使われている車両はボックスシートを備えた車両です。こちらに実質的に置き換えられた形になるでしょう。そういったことにより、2wayシートはロングに固定されてしまいました。つまり、固定された理由は仙石東北ラインの開業による快速廃止が影響したという事になります。
個人的には普通運用でもクロスにしてもいいのではないか?と思いますが、通常の205系と共通運用の上、仙台近郊のラッシュ時は混雑するので、難しいのでしょうね。せっかく高性能なシートが備わっているにも関わらず、活用されないのはなんだか勿体ない気がしますね。今後、クロスになることはあるのでしょうか?団体などで、クロスにして運行してみても面白いかもしれませんね。
最後までご覧いただきありがとうございました!