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西鉄のスター8000形が短命に終わったわけとは【旧型車より早く引退】


こんにちは!
今回は西日本鉄道に関する記事を書いていきたいと思います。
今年もあと少しで終わりますが、今年は2022年です。今から約5年前に話は遡ります。2017年10月、西鉄からある人気車両が引退しました。西鉄8000形です。

西鉄8000形
西鉄8000形は1989年にデビューした西鉄の車両です。運用の兼ね合い上、普通運用に充当されることもありますが、基本は西鉄の特急運用に充当することを目的に製造された新型特急で、無料で乗れるにも関わらず非常に豪華な車両となっています。内装に目を向けると、座席はオール転換クロスシート、2ドアであり、座席が非常に多くなっています。更に豪華な点が、展望座席が設置されている点です。展望座席は、運転席のすぐ後ろに12席設けられており、この設備が絶大な人気を誇りました。展望座席からは、前面展望が見られることに加え、12席カバーできる非常に大きな側面窓が設置されており、景色が非常によく見える席でした。追加料金なしで乗れるにもかかわらず、このような豪華な設備が設置されていることなどから、西鉄のスター的存在として引退直前までその地位を確立することになります。
更に、引退の直前には2編成が観光列車に改造されました。1編成が2014年に改造された大宰府への観光列車「旅人」、もう1編成が2015年に改造された柳川への観光列車「水都」です。





旅人
[

水都
この形式が2ドアで、観光列車改造にも向いているからこと、このような改造が行なわれたわけですが、どちらも2017年には引退となってしまいました。
このように、非常に人気で豪華な内装な上、観光改造まで行われたにも関わらず、全車両車齢30年にも満たずに廃車となってしまっています。参考程度に、8000形よりも古い5000形は2017年時点では誕生から40年以上経過していましたが、5000形よりも先に完全引退となっています。それどころか、5000形はいまだに現役です。なぜ、5000形を差し置いて、8000形は廃車となってしまったのでしょうか。今回はそのことについて扱っていきたいと思います。


8000形が早期に廃車となった理由について、実は西鉄が公式で軽く触れています。どこで触れたのかというと、8000形ラストランツアーです。ラストランツアーの車内放送で、触れられた内容に沿ってご説明していきたいと思います。
車内放送で触れられた内容の要旨は以下の通りです。
・走行距離が非常に長いこと(30年に満たない活躍期間にも関わらず、40年以上活躍している5000形とほぼ同等の走行距離)
・走行距離のこともあり、外見はきれいでも、メンテナンス箇所は年々増え続けていた
・扉の数も2ドアと他の形式よりも少ない
・今後も使い続けるならば、床下機器の取り換えや3ドア改造などが必要

こういったことが挙げられていました。特に走行距離の問題は一番大きかったのでしょう。8000形は特急車両ですので、基本的に朝から夕まで天神~大牟田を走り続けるわけです。他の形式は普通運用などもありますから、朝夕のみの活躍、また二日市・小郡・花畑での折り返しの運用なども多く組まれており、その分走行距離は抑えられることになります。しかし、特急をメインに走っていた8000形は約30年フルで活躍していました。そういったことの積み重ねで、他形式よりも走行距離が積み重なり、老朽化が進んだと、こういったことですね。8000形は年齢的には短命ではありましたが、走行距離の観点から考えると、決して短命ではなく、むしろ長く持ったのだろうと思われます。スターとして、特急をメインに活躍し、他形式に比べ過酷な運用を繰り返していたが故に、5000形よりも先の引退となったわけですね。



ちなみにこの放送を担当されていた西鉄の方、この後にこのようなことをおしゃっていました。「8000形が普通用などに格下げの改造がされず、2ドアの西鉄の看板特急のままで最後まで走ることが出来たのは幸せなことだ」といった趣旨の内容のご発言です。確かに最後まで特急として車生を全うできたことは8000形にとっては名誉なことだったのではないかと私も思います。実は8000形の先代の1000形や2000形という車両は、もともと特急用の2ドア車両として製造されましたが、後に普通用に改造され、ラストランを3ドアで終えています。8000形にももしかしたらそのような未来があったのかもしれません。(展望席のドア位置の関係上、この形式は難しかったかもしれませんが)しかし、そうはならずに最後まで特急として駆け抜けた、流線形の8000形の去り方も非常にかっこよかったと思います。西鉄特急といえば赤色の特急というイメージも、すっかり定着していました。そのイメージを最後まで壊さない退役…名誉の短命とでもいいましょうか、非常に勇敢な最後であったと、そう思います。
今回は西鉄8000形についての記事を書いていきました。8000形が短命であった理由がお分かりいただけたでしょうか。既に引退から5年ということで、時の流れの速さを感じますが、非常にかっこいい車両だったなと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!