こんにちは!
今回はE217系に関する記事を書いていきたいと思います。
E217系の置き換えが現在進んでいますが、基本編成は既に20編成近い車両が廃車となっています。その廃車順を見ていくとあることに気づくと思います。E217系の特に基本編成は比較的新しい車両から廃車されている傾向があるのですね。基本編成のみの廃車順を簡単にまとめてみると、まず、E217系Y-44編成の廃車に始まりました。その後、Y-48、Y-49、Y-43、Y-45、Y47、Y-51、Y-9、Y-50と進んでいくことになります。E217系基本編成は全部で51編成あり、編成番号が大きいほど、後に作られた車両ということになります。ここに羅列した編成を見ていると、最初の方に廃車となった車両たちは、Y-9を除きすべて40番台以降の番号の、比較的後期に製造された車両たちであることが分かると思います。逆に現在残っている車両で編成番号が40番台以降の編成を並べてみると、Y-40、Y41、Y-46の3編成しかありません。しかし、20、30番台は現在でも多くの車両が残っており、20~30番台の車両は1編成しか廃車となっていません。感覚だと、まずは古い車両から廃車し、新しい編成は比較的後に廃車となりそうだと思うものですが、E217系の場合は新しい編成から廃車になっているのですね。なぜこのような置き換えの順番となっているのでしょうか。今回はこのことに触れていきたいと思います。
検査期限が迫っている編成から廃車にしていったから
答えは見出しの通りですが、検査期限が迫っている車両から廃車になっていったからということになります。もう少し詳しく書いていきますと、E217系は車体保全という検査の期限が近い編成から廃車にしていったのですが、車体保全の期限が迫っている編成には後期編成が多かったため、後期編成から廃車になっていったということになります。
まずは車体保全という検査の紹介ですが、これまでの全般検査にあたる検査のことで、電車の検査のなかでもかなり大がかりな検査の種類です。この検査では細部の部品まで細かく分解した検査が行われます。この検査は非常に大がかりな検査となるため、検査を通す費用かなり高くつくことになります。この費用を節約するため、検査期限まで余裕がある編成の置き換えは後回しにし、期限まで余裕のない車両から置き換えていく、こういった置き換えの順番を取っていくことになりました。この際に、前期編成は比較的次の車体保全まで余裕があったのですが、後期編成の検査期限は期限が迫っていたのですね。そのため、期限が迫っている後期編成の廃車を優先した、こういった形になります。Y-40番台以降の車両の中でも、E235系の導入前にぎりぎり検査期限を迎えることになった編成もあり、そういった編成は検査を通しています。例をあげると、ぎりぎりE235系の導入前に車体保全の為の入場をさせ(2020年12月)、基本編成では今のところ最後の車体保全通過となったY-46編成は、後期編成ではありますが、現在まで廃車になっていません。こういった例を見ても分かる通り、意図的に後期編成から廃車にしたのではなく、たまたま置き換え開始の際に車体保全が近い車両に後期編成が多かったと、こういった理由で後期編成からの廃車が進んだということになります。仮にE235系の導入が1年ほど遅れていたら、後期編成の置き換えはかなり後になっていたでしょう。こればかりはタイミングの問題ですね。
こうやって見ていると、どうも後期編成は不幸なような気がしますが、検査のタイミングが合わなかったということで、しょうがないことでしょう。逆にぎりぎりE235系の導入前に車体保全時期を迎え、通ることが出来たY-40,Y-41、Y-46は運が良かったことになりますね。これらの後期編成は、2020年中に車体保全を通しているので、置き換え劇の中でも最後の方まで残ることになるのではないかと思います。
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