こんにちは!
今回は東武8000系に関する記事を書いていきたいと思います。
東武8000系は1980年代から大規模修繕が開始され、その後2007年にわたり約20年程度の期間、更新工事が行われ続けました。この2002年までは外観や細かな設備に関しての差異はあるものの、車内設備などは基本的に変わらない更新内容となっていました。しかし、2003年度更新車から車内設備などにも大きな変化が起こり、「2000年に見合う更新」が行われるようになりました。今回は2003年以降の更新車以降に採用された新たな車内設備をたどり、当時の東武鉄道は2000年にはどのような車内設備が必要であると認識していたのか、それを考える記事にしていきたいと思います。
新たな設備
ここでいったん、2003年以降の修繕車から搭載された新たな設備を列挙していきたいと思います。基本的に利用者の目につくような、大きな変化のみを列挙していきます。
車内
・ドア上にLED式の案内表示器の設置
・自動放送設備の搭載
・ドアチャイムの搭載
・スタンションポールの設置
・非常通報装置の場所の変更(低位置に設置)車外
・車外スピーカーの設置
※なお、自動放送・車外スピーカーに関してはワンマン車のみ2001年修繕車から設置
このような内容となっています。主にバリアフリーを意識した追加の設備が目立ちます。このころの情勢としては2000年に交通バリアフリー法(2006年にバリアフリー法に統合・名称変更)が施工され、世の中の動きとしてもバリアフリーへの関心が高まりつつあるような時代でした。そのような中、スタンションポールや非常通報設備の設置場所変更など、バリアフリーに対応するような設備の追加設置が行われていくことになります。
↑
スタンションポール
そしてドア上のLED式案内表示器の設置も当時の情勢をよく表していると思います。東武鉄道の一般型車両では20070型と30000型で既に採用されていたドア上の案内表示器ですが、20070型の登場時の1990年代後半はまだまだ「新しい車両」に備えつけられてる設備ということで、一般化した設備ではなかったでしょう。しかし、JR東日本では209系やE231系などが誕生し、首都圏でも多くの車両にこの設備が取り付けられ、2000年代前半には一般化したものになりつつありました。そういった状況で東武は必要なものであると判断したことが読み取れると思います。更にこの案内機は聴覚障害者や外国人の方などへの配慮という面で、バリアフリーに対応した設備であるとも言えます。一般化された設備、そして様々な方への配慮、そういった面で当時求められていた設備であると言えるでしょう。
↑ドア上案内表示器
更に自動放送設備です。ワンマン車両において求められる設備であるというのは当然でしょうが、それにプラスし本線系統の6両編成にも搭載したことから、こちらも当時必要であると判断した設備で間違いないでしょう。通勤型車両では東武は20050型から自動放送を採用。当時、20050・20070・30000型に搭載されていた設備でした。JRなどではE231系以降から搭載されており、まだまだ多くの路線での普及までは至っていないものの、標準化しつつある設備であったことは間違いないと思います。2000年代に入り、JRでもまだまだ採用例は少ない中での搭載、首都圏ではわりと早めの搭載であったと言えるのではないでしょうか。
youtu.be
↑自動放送(YouTube)
車外スピーカーに関しては当時ではJRで考えるとE231系にも搭載されていないような、あまり普及していない設備出会ったことは間違いないでしょう。京成などでは当時から一般化しつつある設備で、東武でも20050型以降に搭載されていました。こちらも乗降促進など安全面に目が向けられた設備であり、現在の新造車両には東武も含め必至になりつつある設備です。安全面への意識の高まりがやはり2000年代には求められていたことが分かると思います。
車外スピーカー
このように、東武8000系からの追加設備は基本的に30000型に搭載されている設備をそのままつけたような、そんな形になっています。今でこそ、当たり前の設備ですが、当時ではまだまだ採用例の少ない設備も搭載されており、2003年以降の修繕車の8000系は当時としては最新の設備を搭載していた、割と画期的な車両であったことは間違いないと思います。
記事タイトルの答えとしては、「ドア上表示器や自動放送など、利便性向上により目を向けられ、更にバリアフリーも意識した車内作り」。これらのことが2000年代前半の車内に求められていたことであるというのが8000系から読み取れたのではないかと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!