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先日、485系華の廃車回送が実施されました。郡山総合車両センターまで自走回送となったようです。この編成の廃車により残る485系はリゾートやまどりの6両1編成のみとなりますが、この編成も12月をもっての引退が発表されています。そうなると、もう485系に乗ることはできないのか…と思われるでしょう。確かに485系という形式に乗車することはできなくなります。しかし、現在も元々485系で使われていた部品を流用した車両が活躍しているので、その車両に乗車すれば485系の雰囲気を味わうことはできます。ということで、今回は485系の部品を使っている車両で、現在も現役の車両を挙げていきたいと思います。
「音」で味じわう485系 富山地方鉄道16010形/10030形
↑富山地方鉄道 16010形
まずは、富山地方鉄道で活躍中の16010形をご紹介していきます。これ、どう見ても西武鉄道のレッドアローで485系じゃないだろ!と思われるかもしれません。確かに車体はその通りです。しかし、足回りは485系の流用品なので、走行音は485系と全く同じになっています。この車両は、もともと西武鉄道で活躍していた5000系レッドアローとして活躍していた車両です。その後、1995年~1996年に2編成が富山地方鉄道に譲渡されました。譲渡にあたり、短編成化が行われ、1編成は2両編成に、もう一つの編成は3両編成に、西武時代の6両編成から短縮されました。その短編成化にあたり、足回りの総取り換えが行われ、主電動機や台車などがJR九州の485系の流用品に取り換えらえました。なぜ足回りが取り換えられたのかと言うと、元5000系の足回りがそのまま後継の10000系ニューレッドアローに流用されることになったからです。そのため、5000系は足回りがすっからかんの状態で譲渡されています。そうなると、代わりのモーターなどを取り付けなければなりません。そこでJR九州の485系の廃車発生品を使うことになったわけです。そのため、16010形はMT54のモーターを積んでおり、485系と全く同じ音を奏でます。まさしく、音で485系を感じることが出来る貴重な車両です。
実は、今日まで残っていた華ややまどりも485系を名乗っていますが、実際は車体は新造されており、足回りなどの一部部品のみが485系からの流用品でした。こういった点を踏まえると、華ややまどりなどのジョイフルトレインと性質は非常に似ている車両ということになります。形式として485系を名乗ってはいませんが、音で485系を感じることが出来る貴重な車両です。
ちなみにこの16010形、制御装置やブレーキ弁、空気圧縮機などは他形式(順に、営団3000系、京急1000形、営団5000形)から用いられており、485系以外にも様々な形式からの寄せ集めで作られています(笑)見た目は西武ですが、いろいろな鉄道会社のDNAを受け継いだ面白い形式ですので、是非乗ってみると面白いと思います。
そのほか、同じ富山地鉄の10030形の一部編成にも485系の廃車発生品のMT54や台車が流用されており、こちらでも485系の音を味わうことが出来ます。
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10030形
「座って」味わう485系 JR九州713系
↑713系
続いては座って味わうということで485系の座席が流用された形式をご紹介します。JR九州の713系です。もともとは2両×4編成が宮崎地区をメインに活躍していましたが、今年の秋のダイヤ改正からは2両×2編成のみの活躍となっており、乗ることが困難になりつつある形式です。この形式には485系で使われていた座席がそのまま流用されています。
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485系から流用された座席
713系が1996年にリニューアルされた際に、この485系で使われていた座席が713系で使われることになりました。この座席、モケットこそ変わりましたが、機能はほとんどそのまま残されており、リクライニングやテーブルなどがそのまま使えます。485系で使われていた椅子に座って車窓を眺められる貴重な形式ということになります。音は811系と変わらず、モケットカラーは813系と同じような面白い形式ですので、こちらもぜひ乗車してみると楽しいと思います。一応、今回のダイヤ改正での引退は回避していますが、いつ引退するのか分かりませんので、乗りに行くなら早めがいいと思います。
ということで、今回はまだまだ味わえる485系の生き残りについてご紹介していきました。485系という形式は消滅しますが、部品単位で考えると意外と485系は生きています。485系に乗れなかったという世代も増えて来るでしょうが、是非、今味わえる範囲で485系を味わってみると楽しいと思いますよ。
最後までご覧いただきありがとうございました!