こんにちは!
今回はJR東日本のつり革に注目していきたいと思います。
JR東日本では、一部の電車に黒色のつり革が採用されています。
このような三角の大きなタイプのつり革になっていて、E531系やE233系、E127系などに採用されています。また、これよりも小さいタイプの三角つり革ではありますが、南武支線で活躍している205系1000番台にも、2016年のリニューアルの際に採用されました。
↑205系南武支線 つり革
そんな、今後の首都圏のスタンダードになっていくと思われていた黒色つり革ですが、E235系やE131系には採用されないなど、黒色つり革増殖の勢いはすっかり落ちてしまいました。そんな黒色つり革の栄枯盛衰の物語をこの記事に書いていきたいと思います。
車内デザイン重視…E531系から黒色つり革へ
つり革が黒色、こんなのは今までではなかなか考えられなかったことですが、E531系からJR東日本は黒色のつり革を採用することになります。黒色つり革については、汚れを目立たなくするためなど、様々な効果があるのでしょうが、現在は削除された産経新聞のインタビュー記事に、こんなことが書かれていたようです。
明るい色調の室内にシンプルな形状のダークグレーの吊り革を整然と並べると、通勤車両としての車内空間が引き締まるからです
(Web記事 産経新聞 2008年9月14日
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080914/sty0809140814001-n1.htm
確かに、JR東日本は内装は白ベースとなっており、モケットもE531系にはオレンジベースの色が使われるなど、非常に明るい車内となっています。さらに、昨今では車内照明がLEDとなっている車両もあり、そんな車両はより車内は明るくなっています。そんな中にアクセントのように黒色があると、色の真逆さで、車内が引き締まって見えるというのもわかりますね。
このような形で、E531系から初採用となった黒色つり革は、その後の新造車両に採用されていき、その勢力をどんどん拡大していくことになります。
2006年 中央線 E233系0番台
2007年 京浜東北線 E233系1000番台
2007年 東海道線 E233系3000番台
2007年 水郡線 キハE130系0番台
2007年 小海線 キハE200形
2008年 会津地区など キハE120形
2009年 常磐緩行線 E233系2000番台
2010年 京葉線 E233系5000番台
2013年 埼京線 E233系7000番台
2014年 横浜線 E233系6000番台
2014年 南武線 E233系8000番台
2014年 新潟地区 E129系
2016年 南武支線 205系1000番台(リニューアル)
このような形で、首都圏を走る主要路線の多くに黒色つり革が採用され、JR東日本の車両のつり革といえば、黒色というイメージが定着しつつありました。
これからも続くと思われた黒色つり革採用に大きな転機が訪れます。E235系の山手線導入です。
↑E235系山手線
山手線に導入されたE235系は黒色のつり革ではなく、山手線カラーの黄緑色のつり革を採用しました。つり革の形などは黒字つり革と同じですが、カラーのみ、黄緑色になっています。この動きから、今後路線ごとに色を変えたカラフルな車内に仕上げるのかと思っていましたが、その後に導入された横須賀線向けのE235系1000番台には、なんとE231系以前のつり革が採用され、黒色つり革の採用はされませんでした。その後、各地に導入されたE131系についても同様にE231系以前の吊革が採用されています。
最近、黒色つり革で新造されたのは、今年に増備されたE129系くらいで、もはや黒色つり革の増殖の勢いは衰えてしまいました。今はまさしく栄枯盛衰の「衰」の状態。このまま黒色つり革は採用されなくなっていくのか、また舞い戻るのか、今後の動きに注目です。
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