こんにちは!
今回はE233系に関する記事をかいていきたいと思います。
京浜東北線や横浜線にE235系が導入され、E233系が地方転出するという計画がとん挫したという話が流れてから、もう1年程度が経過しました。今年度から、E233系1000番台京浜東北線には機器更新の計画が浮上しているなど、引き続き京浜東北線で活躍することが濃厚となっています。この計画変更の裏には、E235系の製造コストの問題など、様々な問題が浮上しているのでしょうが、ここで 計画変更の理由の一つに、E233系に大量の廃車を排出するのはもったいないから転属が中止になったのではないかという見方もできるのではないでしょうか。そのあたりに注目し、今回はE233系がどれぐらい高価な車両であるのか、その点を考えてみたいと思います。
209系は「価格半分」などと言われたが…
新系列電車の根本となった209系。こちらは有名な話ですが、205系以前の電車よりも価格を抑えることをモットーとして、製造されており、「寿命半分・価格半分・重量半分」などと言われてきました。厳密にいえば、寿命に関しても、更新工事を行えば、普通の電車と同じくらい活躍できるので、多少違う部分はありますが、それでも205系よりも大幅なコストダウンを実現しています。この潮流はE217系、209系500番台、E231系辺りまではそのまま受け継がれたと考えて問題ないでしょう。
しかし、E231系の更に発達版ともいえるE233系はもはや「価格半分」は全く受け継いでないように思えます。E231系以前の車両に比べて、E233系というのは内外装ともに相当な進歩を遂げており、209系に見られたような、いわゆる「簡素なつくり」ではないのは見れば分かることでしょう。ほかにも細かい部分がE231系より相当進歩しており、コストがかかっていることがうかがえます。E231系0番台以前の車両とE233系の代表的な違いを書いてみます。
ドア上のLCD設置
ドアの二重強化ガラス・化粧板取り付け
荷物棚が鉄パイプ式から棚式へ
フルカラーLED搭載
車外スピーカー搭載
座席の改良・モケット柄が番台ごとに異なる
目につくところでこのような違いがあります。ほかにも走行装置など、技術革新と共に進歩しておりますので、そのあたりの費用も積み重なっていることでしょう。
こういったこともあり、209系とE233系は1両あたりの製造費にかなりの差が生まれています。209系は1両あたり約9000万円ほどであったのに対し、E233系は約1.27億円となっており、車両の価格が高騰していることが分かります。E235系になると、約1.5億となり、更に高騰していることも読み取れるでしょう。この値段は新製当時高価だと言われていた201系などよりも高く、近年、おそらく走行システムなどのコンピュータや装置が進歩したことなどの影響を受け、高騰化しているのでしょう。
使い捨てはもったいない、だから同一路線で長い間使う方針へと転換
このように非常に高価な車両となっているのがE233系です。209系と同じ新系列電車とは言えども、コンセプトは全く異なっているのがお分かりいただけると思います。だからこそ、209系の時は製造13年程度でも、モハも含めて簡単に廃車・解体出来たのですが、E233系は方向転換となったのだと思われます。更に、以前もお話したことがありますが、JR東日本は車両を同一路線で、延命工事を施しながら長く活用していく方針が明かされました。この方針が打ち出された背景にも、おそらく昨今の車両高騰化が影響しているのだと思います。かつて、205系などが地方転属が盛んに行われていたのは、余剰となるモハやサハを簡単に先頭化改造が出来、廃車を最小限に抑えることが出来たからこそ行われていました。しかし、新系列電車に先頭化改造を施し、営業用で使用することは非常に難しいことであると言われております。そうなると、今後、新系列電車が大規模転属を行った場合、余剰車は廃車にするしかないわけです。209系の場合は車体価格が安いので、廃車にしても問題は無かったのですが、E233系の場合は、車体が高いので余剰車を廃車にするのは、非常に勿体ない。このようなことも、同一路線で長く使う方針が決められた背景の一つであるだと思われます。
今後、転属が行われる場合、できる限り余剰車が発生しないような転属を行うのではないでしょうか。例えば、南武線の6両編成や横浜線の8両編成は一両も廃車にすることなく、房総や武蔵野線に転属ができるわけで、このようなハイブリットな転属が今後おこわなれるのではないかと予想しています。一方で、唯一の近郊型の3000番台に関しては、通勤電車とは異なる動きをすると予想しています。その他、運用削減による余剰車の転用や廃車はE233系でも起こる可能性があると思っていますが、さてどうなるでしょうか。
今回はこんなところでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました!