こんにちは!
さて、本日、相鉄東急直通線の運転開始日と乗り入れ先が発表されました。そちらについてはこの記事での掲載は控えますが、今回はこの直通開始によりますます相鉄の横浜ネイビーブルー(YNB)が相鉄にとって有利に働くのだということについて記事を書いていきたいと思います。
相鉄では現在所有車両を横浜ネイビーブルー(ここからはYNBと記載します)と呼ばれる濃紺色のカラーに塗装変更しています。現段階では新型車両の12000系、20000系、21000系と、既存車両の9000系は全編成YNBカラーとなっています。その他、8000系、10000系の一部車両にもYNBカラーが普及しており、計画では将来的に全編成がYNBカラーになる予定となっています。
↑YNBカラー
このYNBカラー高級感あふれる色合いですごくいいデザインだと思うのですが、相鉄は決してデザイン性だけでこの色に塗装変更しているわけではないと思われます。デザイン性以外に何に目を向けているのかと言えば、どれだけ目立つかということでしょう。どういうことかと言うと、都心への直通が決まったことによって、直通先でどれだけ相模鉄道のことをアピールできるのか、これをものすごく重視している筈です。例えば、今後乗り入れる東急東横・目黒線系統には、東急電鉄はもちろん、東京メトロ、東武鉄道、西武鉄道、みなとみらい鉄道、埼玉高速鉄道、都営地下鉄という様々な鉄道が入り乱れています。基本的にはどの鉄道の車両もステンレスの車体にカラーがついているくらいで、一般人からしたら自分が乗っている車両がどの鉄道の車両かなんてわからないし、そもそも気にしないはずです。同じ東急目黒線でも3000系、5080系、3020系のカラーはそれぞれ違いすぎて、全部東急目黒線の車両なのだということは初見では絶対に分からないでしょう。しかし、そんな紛らわしい車両たちの中に突然全身紺色の、いかにもほかとは違う車両がやってきたら一般の方はどう思うでしょう?物珍しさから、車両に目を向けるはずです。その過程で濃紺の車両は相模鉄道の車両だということを知ることが出来れば、相模鉄道という鉄道の存在も知ることに繋がります。
相鉄はこれまで神奈川県内のみを走ってきたこともあり、神奈川県以外の関東の人の中には存在さえ知らないという人も多く、関東大手私鉄の中ではかなり無名です。相鉄にしてみれば、今回の都心直通は無名脱却に向けた大きな挑戦なんです。その無名を脱却するためには、まず自社を知ってもらわなければなりません。そんなときに相鉄の目立つYNBというのは非常に有効です。目立つ車両によって相鉄のことを知ってもらえば、都心へのベッドタウンとして相鉄沿線に住むことを選択する人の増加にも繋がるでしょう。ありふれた鉄道の中でいかに目立つか、それを追及した結果がこのYNBであり、実際に車両が走るだけで広告・宣伝になるという非常に賢い戦略だなと思いました。ステンレス車だらけの中の濃紺の車、印象付けという面では、今回の直通は相鉄車の一人勝ちでしょう。
実際に2019年に開通したJR相鉄直通線では、このYNBはものすごく成功していると感じます。直通開始直後、明らかに他とは違う車両に目を向けている人の数は多かったですし、紺色の車両=相鉄線というイメージがついていることは間違いないです。JR線内で小さな子供が紺色の車両を見て、相鉄線!と言っているのを見かけたこともあります。これが今までの青とオレンジのカラーだったら、正直りんかい線と見分けがつかなかったでしょう。ほかの鉄道の領地に踏み入れるということは、それだけ自分の陣地をアピールするチャンス。ただ直通させるだけでなく、電車自体を広告化してしまうような狙いがあるのだと私は確信しています。
来年の春に5直、そして埼玉高速東急都営の陣地に足を踏み入れるわけですが、その中でもひときわ目立つ車両になるのは間違いないですし、関東大手私鉄の中ではあまり知られていない相鉄の名を知らしめることにYNB塗装は大きく貢献するはずです。今後の相模鉄道の発展に期待したいと思います。
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